※こちらの文章は、局所性ジストニアガイドライン2021からの抜粋になります。全てをご覧になりたい方は、こちらから↓
概要(改善までの流れ)
※画像詳細が見たい方は上画像をクリック
※上段:手の局所性ジストニア
下段:足の局所性ジストニア
はじめに
7年間で400名以上の局所性ジストニア(ぬけぬけ病、書痙、ピアニスト・バイオリニスト・フルーティスト・ドラマー・ギタリスト・ハープ奏者・三味線奏者・二胡奏者・薩摩琵琶奏者など多種多様なミュージシャンズジストニア、料理人、ゲーマー、キーボード、PC、電卓操作など)の身体を診てきて、データをとり続けてきました。
手術や投薬、ボトックス注射に頼らずに、私の考えのもとリトレーニングと神経筋再教育のための施術(必要な方のみ)を実施することで、平均8ヶ月で大きな症状の変化が出てくるというデータがでました。
その8ヶ月の中で実施してきたことを、今回ガイドラインとして作成しました。ただし、このデータはあくまでも、局所性ジストニアを専門としている理学療法士の西山とのやりとりがある状態で、こまめにリトレーニングフォームの修正、回数や負荷量の再設定などを、脳の専門的な知識のもと改善を目指していった場合のデータになります。一人で続ける場合は、平均よりも長い期間(8ヶ月以上)がかかることが予測されます。それを踏まえた上で、下記ガイドラインをお読みいただき、局所性ジストニア改善を目指していきましょう。
準備:専門の医療機関を受診する
まず最初にあなたがすべきことは、専門の医療機関を受診することです。万が一、脳に何かしらの以上があった場合は、取り返しのつかないことになります。実際に過去1例だけ脳に異常がある方がいました。脳の異常を早期発見できるのは、医療機関だけです。 必ず受診して、専門の医師の意見をもらってください。
局所性ジストニアで有名な主な医療機関を掲載しておきます。参考にされてください。
◯NCNP病院(国立精神・神経医療研究センター)
https://www.ncnp.go.jp/hospital/patient/disease03.html
◯福岡みらい病院
https://www.fukuoka-mirai.jp/category/neurosurgical-
functional/dystonia/
◯東京女子医科大学病院
http://www.twmu.ac.jp/NIJ/column/dynamic_
disorder/dystonia.html
その他にもたくさんの医療機関があります。探す場合は、神経内科や神経外科がある病院、または、ジストニアを専門としている医師がいる病院を基準にしてください。全国的に症例数が少ないので、残念ながらジストニアのことを理解している医師が少ないのが現状です。ただ、脳に異常があるかどうかは、どの病院でもMRIを撮ることでわかりますので、脳に異常があるかどうかだけでも検査をしておくと一つの不安がなくなるかと思います。
専門の医師の話を聞いて、手術や投薬、注射のリスクや術後のリハビリなどを理解した上で、時間がかかってもいいから、リスクのない方法で改善したいという方のみ、このガイドラインを有効に活用できると思います。
今すぐに改善させたい場合や改善しなければいけない状況の方は、ここに記載している内容だけでは、あなたのタイムリミットに間に合わない可能性が高いです。実際に高校3年生の最後の駅伝に間に合わなかったり、実業団で結果を残せなかったりして改善をやむなく諦めていった方もたくさんいます。そのような場合は、時間を短縮させるために、手術や投薬、ボトックス注射などが必要かもしれません。
それでもリスクが極力少ない方法で最短の方法を求めている方は、施術や個別のリトレーニングに今すぐカスタマイズする必要がありますので、下記方法で直接ご連絡ください。
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https://www.instagram.com/karadadock/
局所性ジストニアを改善させるための8ヶ月。これをどう捉えるかは、あなた次第です。あなたがもし、10年以上もこの症状で悩んでいるのであれば、8ヶ月はとても短く感じるかもしれません。
1日でも無駄にしないようにするためには、今すぐリトレーニングを開始することが重要です。
Foundation期:土台を作る
この期間の平均「2〜3ヶ月」というのは、筋力がついてくる(筋繊維が太くなる)と言われている研究の期間とほぼ一致しています。もちろん筋力低下が著しい場合は、この限りではなく、期間が伸びることがありますし、筋力低下が少ない場合は、期間が短縮され2週間で次のステップに進むこともできます。全ては、あなたの今の筋力とリトレーニング次第です。
この土台作りを疎かにしてしまうと、この先の動きの再学習で余計時間がかかってしまいます。さらに、これらの動きは、症状が改善しても再発防止のため、最低6ヶ月〜1年は継続することが必要です。実際にリトレーニングをやめて半年後に再発したという連絡をいただくことが結構頻繁にあります。あなたがこれまで書き続けてきたり、走り続けてきたり、演奏し続けてきたりしたのと同じように、継続することで脳に動きを記憶させていくことが大切なのです。
手の局所性ジストニアのFoundation Retraining
手を動かすための土台となる筋肉かつ、手の局所性ジストニアの方がよく筋力低下を起こしている筋肉は、小指外転筋、対立筋、総指伸筋、橈側手根伸筋、尺側手根伸筋の5つの筋肉です。これらの筋力を取り戻すために2ヶ月かけて段階的に負荷量をあげていきます。細かい負荷量や回数、頻度、注意事項などは、全て購入後、動画付きPDFファイルで確認できます。
足の局所性ジストニアのFoundation Retraining
※画像をクリックすると、詳細のページへ飛びます
足を動かすための土台となる筋肉かつ、足の局所性ジストニアの方がよく筋力低下を起こしている筋肉は、大臀筋、中臀筋、ハムストリングス、大腿四頭筋、下腹部の筋肉(腹横筋、腹斜筋)などです。これらの筋力をつけるために2ヶ月かけて段階的に負荷量をあげていきます。細かい負荷量や回数、頻度、注意事項などは、全て購入後動画付きPDFファイルで確認できます。
Basic期:基礎を固める
この期間でのリトレーニングで、関連する全ての関節の動きの方向を網羅することができます。この期間が2〜3ヶ月なので、Foundation期も含めると4〜6ヶ月。この期間でパフォーマンスが大きく改善する方はごく僅かです。もちろん中には、ここまでで大きな改善ができる方もいます。その方々は、発症してからの期間が短く、筋力低下や脳に機能的な変化が少ない場合です。ここまででようやく脳の機能を変えていく準備が整います。
手の局所性ジストニアのBasic Retraining
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手を動かすための基本となる筋肉かつ、手の局所性ジストニアの方がよく筋力低下を起こしている筋肉は、母指伸筋、総指伸筋、虫様筋、骨間筋、小指外転筋の5つの筋肉です。これらの筋力を取り戻すために2ヶ月かけて段階的に負荷量をあげていきます。細かい負荷量や回数、頻度、注意事項などは、全て購入後動画付きPDFファイルで確認できます。
足の局所性ジストニアのFoundation Retraining
※画像をクリックすると、詳細のページへ飛びます
足を動かす際に必要な残りの筋力は、この股関節屈筋です。この動きはとても簡単のように見えますが、とても難しい動きになります。気をつけるところ盛りだくさんあります。この動きができるようになることで、足を前に持っていくのが楽になります。 これらの筋力を取り戻すために2ヶ月かけて段階的に負荷量をあげていきます。細かい負荷量や回数、頻度、注意事項などは、全て購入後動画付きPDFファイルで確認できます。
Combination期:複雑な動きを再学習する
これまでのリトレーニングを毎日継続できた方は、この期間までに筋力低下を起こしていた筋肉がしっかりとついてきて、単独の動きであれば、動かせるようになっているはずです。ここからようやくパフォーマンスを変えていくリトレーニングになります。とても長い道のりですが、ここから少しずつパフォーマンスが変わっていきます。
しかし、ここからは、一人一人改善方法が変わってきます。手の症状では、人差し指が曲がってしまう人もいれば反対に人差し指が巻き込んでしまう人もいます。足では、力が入りすぎる人もいれば、入らない人もいる。そして、その症状が出るタイミングも様々です。その様々な症状に対応するためには、あなたの症状を細かく確認してあなたに合わせたリトレーニングや神経筋再教育が必要になります。
例えば、ピアニストで人差し指が突っ張る方で、薬指を打鍵するときにピンと突っ張ってしまう。このような症状がある場合、人差し指と薬指の関係性を作っていくリトレーニングが必要になると考えられます。ですが、中にはそれだけではなく、小指や親指も関係している人もいるんです。そうなると、人差し指と薬指の関係性だけでは改善しないんです。これが局所性ジストニアが改善しにくいと言われてきた理由です。一人一人脳の中で作られている運動プログラムが違うんです。そこを細かく評価していかなければ改善には届きません。
ここからは、局所性ジストニアのことを深く学んでいる我々理学療法士の専門的な視点やアドバイスが必要になります。
ここまで進んだ方は、下記からサポートをお申し込みください。あなたの症状に合わせたリトレーニングを提案させていただきます。
Technic:実践的な動きを再学習する
Combination期で色々な部位の関係性を再構築できたこの頃には、パフォーマンスが大きく変わってくる人が多いです。その中でも大きな改善が得られない方は感覚や知覚や認知、運動プログラム、姿勢制御、プレシェーピングなど様々な問題が隠されています。
これまでしてきた数々のリトレーニングの本来の目的は、これらの複雑な問題を見つけるために、筋力低下という大きな問題を排除することなんです。筋力がなければ余計な力が入ったり、震えたり固めたりジストニアに似た症状が出てしまいます。ですので、Combination期までで改善した方々は、筋力低下が問題だったということになります。
知らない方も多いのですが、局所性ジストニアを診断する時に「筋力低下がないこと」という項目があるんです。つまり筋力低下があると局所性ジストニアではないということなんです。
その筋力の問題がなくなったこのタイミングでも症状が強く残っている場合は、脳の機能的な問題が強く残っているということになります。私は、これが本当の局所性ジストニアなのではないかと考えています。
だから、ここからが本当の戦いです。もちろんここからの改善方法は、一人で太刀打ちできるものではありません。1日でも早くご相談ください。